一点五流

1.5流の人間が「コンサルティングファーム」と「投資銀行」を両方経験したからこそ分かったことを書きます

#5 採用選考としてのインターン

今回はインターンについて書いてみたいと思う。

インターンという効率性

コンサルはインターンに参加しておいた方がいい。それが採用直結なのだ。もっというとコンサル志望でなくてもコンサルのインターンに行った方がいい。商社をはじめとする事業会社でも、外資コンサルや外資メーカーのインターン参加者がほしい。優秀だからというのもあるが、どちらかというと効率的だからなのだ。それだけ先に積極的に動き、しかも一定のレベルの会社が選考をしてOKと言っているのである。安心感がある。

ちなみに裏ではインターン参加者には値段がついている。1人1万円である。そうでない人はまちまちだが、早慶以上の人はまあ1000円程度参加したかどうかで10倍の差がつく。裏ではこんな取引をしているのだ。実際その人たちが優秀かというと全員がそうではない。が、確率で言うと、圧倒的に高確率でいい人に会える

新卒でよく、もっと1人1人を見てほしいとか、もっと優秀な人が大学に関係なくいるから、学歴フィルターはだめだとかいう。学生時代はそう思っていた。自分は優秀でほらほしいでしょと。しかし人に雇ってもらう分際で、一人で起業もする能力もない人間なんて、優秀なわけがない。もっと優秀なやつは一人で稼ぐ。その能力もないんだから、おとなしくレールに乗って、選考を受けろという話である。

考えてみてほしい。あなたが、経営者で優秀な高校生を200人取りたい。期間は1か月。何もネットワークはない。さあどうするか。優秀の定義から考える。何の経営をするか、学習塾をやるか、引っ越しやをするかでも変わってくる。例えば学習塾なら、賢い人がいる。優秀な高校生を集めるには、進学校の校門でひたすら勧誘するか。進学校の校長を口説いて、彼らを集めてもらうか。引っ越しやをするなら、力がある人がいる。体育会系の野球部とかラクビー部とかにコンタクトする。どうしても何かしらの集団で囲って、そこにターゲットを絞るのだ。擬似的なマーケティング活動と同じである。短い期間で大勢の人を集めるには、限られたリソースの中だと効率性をとるのだ。帰宅部なんだけど、実は家で筋トレをやっていてすごい力持ちがいるんだといわれても、そいつも見つけるのは不可能なのだ。何かしらのフィルタリングをして、絞った方が効率的なのだ。

 

学生に能力差はあるか

これもよく言われるが、学生時代の能力なんて社会人からすると大差ない。それでも違いはあるでしょと言われると、上から0.1%、1%、20%、50%、80%、それ以下で違う。

上位0.1%は違う。すでに起業していて、数億円稼いでいる。別に会社に入らなくていいという人は別格だ。大企業に入って、箔をつけるとか学ぶこともあるかもしれないが、大したことはないとすぐに気付く。そうなると、面接をしている雇われサラリーマンよりはるかに価値があるのだ。自分で経営もせず、誰かに雇われないと生きていけないサラリーマンなど、起業して自分で生きている人間と比べると価値は下である。もちろんサラリーマンにはとても優秀な人はいるが、新卒時のポテンシャルを比べると、学生時代に起業した人間の方が価値があるはずだ。そんな上から0.1%は別格なのだ。これらはまあ人事は会えない。1学年45万人として450人ぐらいなので、会社には関係のない層である。

続いて上から1%。これらはいわゆる意識高い系でほんとに実績がある人間。慶応で、フリーペーパーを作り、テニスサークルに所属し、帰国子女で、英語はネイティブでみたいなタイプで、自分で起業はしていないがそれなりに優秀な層。商社、外コン、外銀、外メーカー、ベンチャー、出版社、広告代理店、マスコミなどにいく。

続いて、20%体育会系で実績あり、サークルで実績あり、コミニュケーションがうまいタイプだ。大手メーカー、インフラなどに通っていく。ここまでが放っておいてもどっか通ってくるタイプだ。もちろん大学によって通る先は変わるのだが。

次に5割。何の特徴もないが、初々しいねーと思われる大学生だ。上の層は冠企業といわれる大手の子会社系や上場企業、有力な非上場に就職する。

そして、次の80%までは、なんかおどおどしていてコミニュケーションが取れない。成績もそれほどよくない。ただ、中小からすると高卒よりはいい感じがするので採用する。

そして残りは本当に自信をなくして就活をあきらめるか、非正規になるかである。

 

能力に差があってもアピールしなければタダの人

こう細かくみると決して差がないわけではない。ただ、個別に受けに来る企業からすると、一定の密集した層が来ているので、差なんてないと思うわけである。上位0.1%の学生がほしいと思い、実際は上位1%を取れたら万々歳、20%がきたら例年通りで、5割が来たら失敗と思う上位企業なのである。

新卒一括主義がくそだとかよく言われる。確かにそうなのだと思うが、上位層と上位企業にとってはくそなのだ。企業はいつだって優秀なやつを囲い込みたいし、自由な活動をやって、好きな時に就職いたい学生なのだ。

ただ、20%層以下はそうでないと思う。スケジュールを決めて、はい就活ですよーといわないと動かない。これらにはおしりたたきが大事なのだ。まああくまで下位層の話なので、興味ないという人が多いと思うが。

とにかくインターンは企業に目をつけてもらうきっかけ。必ずしも目をつけてくれるわけではないが、多くチャレンジした方がいい。あんな必死にいってダサいと思うのもわかる。ただ、能力ない人もやる気を出してコンタクトし続ければ勘違いして企業はとってくれたりするのだ。なぜなら企業も見る目なんてないから、そして大差ないと思っているからインターンはそんなアピールする機会なんだから、行ったほうがいい。その時の友達がずっと関係続いたりするからね。

あまりインターン関係なかったなあ。

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
■就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
■仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
■仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
■企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
■知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み