一点五流

1.5流の人間が「コンサルティングファーム」と「投資銀行」を両方経験したからこそ分かったことを書きます

#7 コンサルの仕事

今回から仕事理解(コンサル)編。受けない人はごめん。

コンサルの仕事ってわかりにくいので、書いてみたいと思う。いや、いくら書いてもわからないと思うが、なるべくイメージしてもらえるように書いてみる。言い訳がましく最初に言うと、優秀なコンサルタントはもっとすごい仕事をしているんだろうが、俺は違ったから色んなサイトを見てみてね。わかりやすさを重視するよ。

 

新規事業プロジェクト

いろんな種類の仕事がある。でも実はそんなに対して変わらない

例えば、新規事業のプロジェクトについて考えてみる。A社が主要事業は伸びず、新たな分野に進出したいと言っている。

まずはA社のリソースを洗い出して、他の業種に使えないか考える。富士フィルムアスタリフトみたいに、写真フィルムのコラーゲン技術を美容に活かせるみたいな発見は技術者でも難しく、その道の専門家でもないコンサルタントが思いつくわけがない。ただ、一応リソースを洗い出すのだ。その道の専門家にヒアリングして、そんなネタでも出てこればいいけどね。

後は海外事例を探る。海外の同業他社で同じような展開をしていないか。ただ、こんなの調べたって、お客さんはすでに知っていてあれはこういう理由で、無理なんだよとなる。

じゃあってことで、社内の各事業部門に行って、そういう新規事業の芽がないかヒアリングする。出てきたりするが、すでに出したとか、小さい話すぎて採用しづらい。

仕方ないので、周辺事業の産業の市場規模などをリサーチして、一番伸びそうな分野のレポートを作る。社内のプリンシパルみたいな専門家がいるから、そこからヒントをもらう。

そんなネタ集めなどをして、全体像をパートナー、マネジャーなどがまとめて資料作成する。そして、こんな可能性がありますよねー的な分厚いその会社のためだけのレポートを作成する。レポートの厚みは自信のなさに比例する。このプロジェクトで必要なスキルは何か、リサーチ力、ヒアリング力、最後まとめる構造化力ぐらいか。くどいようだが、おいそんなことで誤魔化しているからだめなんだと言わればその通りである。

 

営業改革プロジェクト

営業改革のプロジェクトについて考えてみる。KPI設定をする。利益から分解して、売上×利益率でとかうんぬんかんぬん分解する。そしてそれぞれの指標について過去との比較だったり、競合との数値比較だったりして、悪いところを見つける

また、営業部長とかにヒアリングして、何を課題と思っているかをヒアリングする。すると、大体営業マンの損益管理ができていないとか、提案力がないだとか、若手のスキル不足とか、訪問回数が少ないとか洗い出される。

じゃあそれを改善するには、他社ではこんなことやってますよーとか、営業マンの評価体系が問題ですねーとか、研修でこんなことをやりましょうよとか、PDCAを回す仕組みを入れようよとかに落ちる。そもそもコンサルタントに営業力はないじゃあお前売ってみるよと現場は思っている。その道何十年とかいうおじいちゃんコンサルが来て、明日使える提案方法やツールを紹介して、そちらの方が有難がられる。このプロジェクトで必要なスキルは何か。分析力、リサーチ力、ヒアリング力

 

必要なスキルとは

私は新規事業立案と営業改革が一番嫌いなプロジェクトだ、バリューがでないと思っている。新規事業である程度、出る領域が決まっていて、そこのリサーチを簡単にやってよとかならいい。それがやりたい仕事でやるべき仕事か別にして。営業改革なんて、自分で売ってみろである。そして何が原因で売上が伸びたかわからないのに、うちのおかげでみたいな最終報告書を作る。

それはおいておいて、リサーチ、分析、ヒアリングがベースで、それをパワポに構造化して落とす。ほとんどはこれが仕事だ。実際は、最初にストーリーを書いておいて、その仮説をもとに検証するプロセスを取る。困ったときの他社事例・他社比較、専門家のご意見が伝家の宝刀である。

もちろんするどい仮説とするどい分析により方向が見えることもよくあるが、そこのすごさは最初は新人には到底無理なので、まずは分析、リサーチ、ヒアリング、そして紙をかけるようになるが身に着ける仕事なのだ。すると大体何のプロジェクトも同じになってくる。業界が変われど、テーマが変われど、手法は同じなのだ。

 

変化するコンサルの仕事

ただ、こんなことは最近誰でもできるようになった。少し前にnewspicksで特集していたが、投資ファンド化」「高級派遣業化」「クリエイティブ路線への進出」になってくる。

投資ファンド化はお前責任もとらねえくせに偉そうにいうなや、金出してリスクとれやである。

高級派遣は今になった話ではないが、自分でもできるんだけど、忙しいし時間がないしそういう人材社内で集めるにも人事的なことで面倒だし、代わりにがんばってよである。

クリエイティブ路線は、なんか付加価値ないよなあ。そうだ見た目かっこいい感じだったら価値ありげに見えるし、クライアントもモノに落ちているから納得感あるじゃんである。

でもあえて言おう。これの何が悪い。それでクライアントがお金をくれるならやったらいいじゃんである。そもそもコンサルが高尚だみたいな勘違いの方が違和感がある。じゃあコンサルって何の価値があるのよについて次回は書いてみたいと思う。

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
■就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
■仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
■仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
■企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
■知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み