一点五流

1.5流の人間が「コンサルティングファーム」と「投資銀行」を両方経験したからこそ分かったことを書きます

#2 コンサル内定法

今回はコンサルの就職活動について書いてみたい。あくまで当時の私のやり方であり、これがいいとも思わないから、参考程度に聞いてほしい。まずはさらっと全体を書いてみる。

 

SPI試験

筆記試験はまあどこもそれなりの点を取っていればよい。ここでいう筆記試験とは、SPI系と独自のケース問題に分かれる

まずはSPIについて。ここは対策したところでもうどうしようもないのではないかと思う。地頭が大事といわれるが、私はこれは受験勉強しているか(特に中学受験)どうかなんだと勝手に思っている。

例えば、コンサルで言うと、全く知らない業界について、資料やレポートを読み込んで把握する能力が求められる。国語の読解力に近いと思う。投資銀行も難しい法規制や会計基準などを理解できるか、読解力に近いのではないかと思う。

コンサルでは、ストーリーを大事にする。最終報告書として、まとめあげるのだが、その時、頭から最後まで、背景が何で、今課題が何で、その根拠はこれで、対応策はこれらが考えられるが、検証するとこれが一番だと考えられるみたいな、いわゆるロジカルシンキングというものだ。論理的思考力と訳すが、いまいちよくわからない。

要は人間が聞いていて、そうだねそうだねとすっと入ってくるか、途中でえっ違うくない?なんで?とならないかということだと思う。これは文章構成に似ているのだと思う。

また、スライド1枚にメインメッセージというのを書く。データがあって、要はこうですよねという要約である。この表現力にとても悩まされる。私が元々国語が出来ず、表現力に乏しいからそうだったのだが、これも国語の要約力である。小さいころに天声人語をまとめるみたいなすごく嫌いな課題が塾であったが、まさにあれである。

こういう把握力や論理的思考力や要約力があるかどうか国語の能力を試すために筆記試験があるのだと思う。ただ、優秀な人間はこんなところで差はつかないので、あくまでフィルタリング機能である。

 

一方、算数的要素も必要となる。一番はエクセルを使ったデータ集計である。平均から始まり統計だったり、出てきたデータの読み取り方もある。他社と比較する場合、平均がよいのか、中央値がよいのか、まあそんなのは業務で感覚をつけていけばよいのだが、数字に親和性があるかどうかは差が出ると思う。そのアレルギー耐性を見る程度である。優秀な方にはわからないが、慶応でも加減乗除が苦手という人はいるものだ。SPIの算数範囲で、対策をする必要がある人もそうである。

投資銀行財務シミュレーションをする。何年後に売上がどうなるから、利益がどうなって、資産がどう増えて、負債がどうなって、キャッシュフローでみるという感じである。数字が嫌いであれば毎日苦痛で仕方ない。

ただ、ここまで言った国語も算数も大学からどうこう出来るものではないと正直思う。

どうしても受かりたいのであれば、SPI対策をして、内定時代にいくつかエクセルでモデルでも作ってみることだ。そのうち、なれるはずだ。

 

ケース問題

また、ケース問題がある。会社によって、違いがあるが、他のサイトでは2つに分けている。フェルミ系ケースと戦略系ケースだ。

フェルミ系ケースは慣れである。本もあるし、わざわざ本を買わなくても、サイトでいくらでもある。フェルミ系ケースは、プロジェクトで、この市場規模ってどれぐらいあるんだっけ?とか、将来、需要はどのぐらいになるんだっけとか問われることがある。矢野経済とかのレポートから拾って、何千億ですといったらコンサルとして、価値がないので、無理やり構造化して、推定する。それと同じ構造をフェルミ推計でやる。この構造化をする時に思いもつかない要素があれば、面接官はおおっと思うが、ほとんど無理なので、無難な構造化をし、少しだけ独自性を入れる。そしてそこについて議論を広げる。どうせ答えがないので、面接官と議論を楽しめればOKなのである。戦略系はより具体的な問題である。基本的にはA社(業界)が儲かるには?というテーマである。

大事なのは、どうせ相手もそんなに分かっていないという点である。儲かっていったら、コンサルなんてすぐに辞めて、起業しているんじゃないかと思う。これも論理的思考力を問うているだけである。業界のビジネスモデルはこうで、KFSはこれで、利益はこう分解されて、これを伸ばすには、課題はこれで解決策はこれらがあって、こういう軸からこれに絞られ、みたいな話をすればよい。

私は4Pさえも知らなかった。面接で、ケースがあって、どういう観点がある?と聞かれ、いくらか、どういうものか、どこに立地しているか、どういう宣伝をするか、どういうブランディングかみたいなのを言うと、それを4Pと言うんだ、といわれ、へーそうなんですかと驚いた。ただ、ブランディングはいらなくないかみたいなことを言われ、いや絶対いるみたいな主張をした覚えがある。それでも受かったので、どちらかというと会話を楽しむというかディスカッションすることが大事なんだと思う。

 

面接・グループディスカッション

面接でも似たようなことが聞かれる。フェルミ推計だったり、戦略ケースだったり。基本的に戦略ケースが出来れば、大丈夫。コンサルの仕事そのものなのだから。

あとは間にグループディスカッションがある。これは意見をまとめるやつ、ホワイトボードにまとめるやつ、とがった意見をいうやつ。これぐらいのポジションを取ればいい。とがった意見に構えていたが、外銀ではしくった。まず5分という短い中でまとめろといわれると、まとめるやつが大体よく見える。

最後とがった意見を短い時間で言うには難しすぎた。しかもみんな優秀だったから、そんな違う意見も言えない。なぜか通過したが、あまりお勧めしない。時間によっては、ポジションを変えた方がいい。パートナー面接ぐらいまで来ると、もはや決まっているかその人との相性で決まる気がする。少し小賢しいのだが、それまでの面接でその会社が気に入ることが何かを見極めておく。逆に面接官の意見を聞いて、レベル感や価値観を見極めるといい。

そんなことやらなくても・・・という人はそのとおり。こんな就活テクニックはいらないのだろう。あくまで1.5流の人間が受かるのであればという話だ。

 

さて、これだけじゃ、コンサル受かんないよというと思うので、もう少し基礎の部分についても、書いていきたい。

次回は意識高い系のすごいエピソードに勝つ方法について書いてみたいと思う。

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み