一点五流

1.5流の人間が「コンサルティングファーム」と「投資銀行」を両方経験したからこそ分かったことを書きます

#20 最も怖い配属リスク

配属リスクについて考える。

私にとってはかなりのリスクだと思うのだが、大学時代は深く考えてなかった。ここで書いてもどうせ分かってもらえないと思うが、分かってもらえるとうれしい。

 

コンサルの配属

内定時代に配属部署を聞かれる。先輩やらにあって引き抜いてもらえるようにする活動を配活というらしい。聞いてもらえる会社もあるし、関係なくみんな営業っていう場合もある。コンサルは新人はアナリストしかやらないので、配属の心配はない投資銀行は最初から配属別で採用されていれば心配ない。この2つは比較的専門領域なので、他に配属される道もない。ある意味、会社にいる限り比較的近しい仕事をしている。

もちろんマネジャーになると社内業務や営業活動も増えるのだが、コンサルの営業活動なんていうのは営業活動になっていない。そもそもできない人たちだが。投資銀行は少し異動の幅が広い。エクイティに行ったり、デッドに行ったり、カバレッジに行ったり多少異動することもある。

 

商社の配属

それより深刻なのは、商社だ。最近でこそ、色々変わるが、でも最初にカンパニーに配属されるとそのままだ。エネルギーだったり、プラントだったり、食糧だったり、その道のプロになる。また、財務や法務、人事かもしれない。財務畑とか言われて、その色がつく。求めていようと求めてなかろうと、会社がこれといった畑の人になる。

こういう話をすると、終身雇用の時代は終わり、いつまでも会社にいれるかわからないという指摘がある。ごもっともだが、そんなことを言いたいわけではない。商社だったら、30ぐらいならコンサルは雇ってくれる。人にもよるが、比較的採用されやすいから、別にあとで行ってもいい。給料は下がるが。投資銀行には行きづらいと思う。それまでファイナンスをやっていない人間を雇うにはややリスクがある。コンサルは企業のどこかの分野に詳しければ、役立つ。クライアントが商社だったりすることも多いので、それだけでも役立つ。

配属への慣れ

やってみると普通になるのかもしれない。それが当然になる。同じカンパニーでもトレードと投資は全く違うし、扱う商材も多岐にわたる。意外に個人でいうとそれは大きな変化で、成長実感があるかもしれない。ただ、そのうち飽きる。それでも会社の居心地はよく、給料も高いので、そのままいる。40になるともはや今更他のことをするには抵抗があるし、家のローンもあるし、このまま同じ会社でいるかになる。それで耐えれる人には何ら問題がない。

 

事業会社の配属

悲惨なのは他の事業会社だ。メーカーに行くとまずは工場かもしれない。営業かもしれない。でも経営に近しいことはやれない。そして色がついていく。定常業務が多く、プロジェクトを組むような改革に携わることは少ない。スキルが低いままで転職活動しようとしても同業界にしかいけない。財務や経企、システムのようなどこの会社にもある間接部門だと転職しやすいが、営業や企画だと同業界への転職が最もしやすくなる。

つまり、最初に選んだ業界のイメージが違った段階で、おしまいなのである。もちろん、30ぐらいまでだと異業種に行くことは可能だが、会社の格が落ちたり、給料が下がったり、何より一から人間関係を築かないといけない。当然、これも人によりけりで、そんなのは関係なく転職する人もいるが、一般的な話だ。

 

配属リスクは仕事への幻想かもしれない

先に書いた資格を取るというのはある意味、配属リスクといえば配属リスクなのだ。その仕事についてよくわかっていないはずなのに、弁護士になりたい!会計士になりたい!というのだ。ただ、あるイメージはドラマなのだ。

こう書いていて思うのは仕事なんてそんなものかもしれない。幼稚園の時にケーキ屋さんになりたいと思った女の子が、専門学校に行って、ケーキ屋さんになり、開業したらすばらしいということになる。悲惨なのは途中でケーキを作るのではなく、食べるのが好きだと気付いた時、飲食にいくぐらいしかなくなることだ。でもそれも人生だ。

野球選手になったが、戦力外通告をくらい、引退し、普通のサラリーマンになるか飲食店を開くかする。でも野球選手になんて普通なれないので、そこまで夢を追った人生はすばらしいのだ。

配属リスクなど、それからすると大した話ではなく、いくらでも修正がきくではないか!

与えられた環境に満足するタイプは特に問題ない。過去何かしらの成功体験があり、それによりプライドが高く、昔夢を漠然と大きく持っているタイプは普通のサラリーマンを経験して、こんなはずじゃなかったと思う。脱サラもその流れだ。そういうタイプは配属先が決まっている会社に就職するか、専門的資格を取るか、コンサルや投資銀行のような幅広い業種にちょっとずつ絡むような業界に行くことをお勧めする

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み