一点五流

1.5流の人間が「コンサルティングファーム」と「投資銀行」を両方経験したからこそ分かったことを書きます

#11 外資系と日系の投資銀行の違い

外資系の投資銀行と日系の証券会社の投資部門との違いは何なのだろうか?

組織上の違い

今回は野村証券の採用HPを見てほしい

ホールセール部門/本社機能|仕事を知る|野村證券 2017年度新卒採用ホームページ

投資銀行部門といわれるのは、インベストメント・バンキングと書かれた場所である。M&A、資金調達、そして営業的役割のカバレッジである。

一方、JPモルガンの採用HPを見てみると

Investment Banking Jobs | Students & Experienced Professionals | JPMorgan Chase & Co. | J.P. Morgan

さして変わりない組織構成である。日本の事業法人が顧客である以上、日々日系外資の両者はライバル関係にあり、人材も行き来している。

 

一番の違いはお金

では何が違うのか。報酬体系である。外資35歳で3000-4000万のプレイヤーがごろごろいる。日系は35歳だと1500-1800万ぐらいである。もちろんもっと早くにその金額に到達している人もいるい、日系でも雇用形態や中途入社による吊り上げによって外資並みの人もいる。ただ、やはり報酬のレベル感が違うので、優秀な人は外資に行く。といっても会社全体の能力でどちらが上かというと商品によってまちまちである。M&AはGSかMS、株式・社債は野村かメガ証券である。このリーグテーブルは集計によってまちまち(期間、案件or額、日本企業など)なので、一応トムソンロイターのリーグテーブルで見てみるといい。

プレスルーム - Thomson Reuters Japan

 

優秀な人材でも日系に勝てない?!

優秀な人材なのに、なぜ外資が勝てないのか。それは企業側が日本企業でこれまでのお付き合いとか銀行との関係性とかあるからだ。また、接待であいつは気が利くとかで有利に働いたりもする。別に選ぶ方の企業も能力差を見れるわけでもないので、優秀かどうかなんて分からないのだ。

また、外資は大きなディールのみを絞って取りに行ったりする。だから総額でどうとか気にしないのだ。自分に入ってくるお金さえ多ければよい。ただ、個人的に思うのは商品自体に差別化ができないからだと思う。別にすごいアドバイスがみんな出来るわけでもないし、ちょっと極端に言うと、資金調達なんて金さえ集まればいいので、日系の方が投資家との関係性上、集まったりするのだ。学生時代に思い描く賢い仕事ではないのだ。

 

コンサルでは?

では、外資系のコンサルティング会社と日系のコンサルティング会社の違いは何なのだろうか?これは明確な順列がある。マッキンゼー、ボスコン、ベインは抜けていて、その下にATカーニー、デロイト、ベルガー、野村総研と続く。ドリームインキュベーターとかコーポレートディレクションとかもあるのだが、ここも実際に入る人は優秀なのだが、会社としての規模が大きくないため、たまにバッティングするが、そんなにお目にかからないのである。

こちらも報酬に差があり、外資は35歳で1500-2000万だが、日系は1000-1500万ぐらいになる。こちらも早く出世した人はこの限りではない。投資銀行と比べると差は大きくない。そして、思ったほどもらえない

また、プロジェクトの内容も変わる。こっちは外資の方がグローバル案件が圧倒的に多いし、より戦略的な仕事が多いこの戦略的なんてくそくらえと思っているが、学生の時はみな気にするので、書いておく。

投資銀行と比べて、商品の差別性が大きいのか。個人的な意見だが、人材の質がもろに直結しやすいからではないだろうか。投資銀行業務は組織としての戦いの要素が大きいのに対し、コンサルはレポート自体の質によるので、とがった分析だったり、新しい方向性だったり、そこ一本で勝負的な要素があるからだと思っている。

また、ブランディングが上位3社は圧倒的な点も大きい。日本においてGSと野村の差とマッキンゼー野村総研の差はマッキンゼー野村総研の差の方が大きい

では、人材の面はどうか。投資銀行ほど行き来していないように思える。というのもコンサルは数年やったらもういいやというのがある。個人の能力次第なので、別に外資に行っても同じだろうと思っている人が多い気がする。もちろんもっとグローバルな戦略的な仕事をやりたいということで外資に行く日系の人もいる。

 

結局イメージが勝つ

投資銀行にしてもコンサルにしても外資と日系の差は思っているほど差はなくて、業界外や新卒時のイメージが外資の方が格好いいというのが定着しているように思える。両業界を比較すると、投資銀行は報酬の差、コンサルの方は仕事内容の差が大きいのではないかなと思う。まあ、新卒で両方受かると確実に外資にいくけどね。これが生涯を通じてよいかはまた別の話。これはまた次の時に。

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み