一点五流

1.5流の人間が「コンサルティングファーム」と「投資銀行」を両方経験したからこそ分かったことを書きます

#8 コンサルのやりがい

ずっとネガティブなことばかり書いていたので、コンサルに入ったやりがいや価値を感じることについて書いてみようと思う。

このサイトでは以下のようなことが書いている。

gaishishukatsu.com

 

①好奇心をくすぐられる面白さ

確かにいろんな業界や会社を見ることができて、テーマも変わり、普通は3か月ごとに変わるので、どんどん新しい情報をインプットし、プロジェクトでもいろんなことを得られる。これに関しては間違いないかな。

ただ、他と比べてどうかというとコンサルが特別なわけでもない気がする。投資銀行もそうだし、大手メーカーでも業種の広がりはないものの、職種については異動も多いので、いつも新しく新鮮だ。でも業種もテーマも両方変われるのは、他にはないかな。

 

②グローバル規模の多様性に日常的に触れられること

これは、文句のつけようがないかも。一ついうと、海外で生活する機会は意外にメーカーの方があったりする。外資といっても日本支社なので、海外プロジェクトで行くことはあっても、海外オフィスに行くには少しチャンスが限られるかなと思う。社内での応募性で、チャンスはあるけど、自分が選ばれるかは別。ライバルも多い

 

③チームで成し遂げる充実感

これもそうかもね。常にチームである。夜遅くまで一緒に働き、ランチも一緒。議論もよくする。投資銀行は結構個人プレイ思考が強くM&Aとかは違うけど)コンサルはチームで働くことが求められる。

めんどくさいこともあるけど、未だにあの時のチームで働きたいなあと思うことがあるし、同級生に近いので、よくあつまって、昔話で盛り上がる。成功した時というかクライアントから喜ばれた時はみんなで充実感で満たされる

 

④「成長意欲への強い刺激」が絶えず得られる環境

周りが優秀。みんな優秀。色々バカとかなんやらいうが、他の会社より絶対優秀。すごいのは全員が成長したいと思っていること。それに疲れたら辞める。成長という名の自己陶酔ではあるが、成長が得られるのには変わりない。

 

⑤極端なワークライフバランス

これはどうだろ。よくプロジェクトの合間は休みとれるよっていうけど、すぐ次のプロジェクトに入れられるしね。そもそも他の会社は日々早く帰っていたり、有給を普通に取れる段階で、なんかごまかしな気がする。その人は働きたい人だから、少しの休暇でいいんだろうけど、普通の人間にはもっと休みたいって思うだろうね。ワークライフバランスに期待は絶対できない。

 

⑥経営者目線(追加)

これ以外にも、経営者と会えるとかいう話。あれは営業だったら他の会社でも会えるよ。まあ大手企業の経営者ではないかもしれなけど、少なくともメガバンク投資銀行の方が、絶対経営者に会っている人脈は本当にできない。だって、毎日仕事で遅いんだもの。仕事で絡むけど、仲いいお客さんと後で飲むけど、じゃあその人たちが人脈かというとサラリーマンなんだから、人脈らしいものもない。

こうなると、大体コンサルの人が思うのが、意思決定できる立場になりたいという思いである。コンサルはあくまでアドバイザリーであり、あとはどうなったか分からない。その先も追って見届けたいという人が多い。

個人的には意思決定なんて事業会社でも経営者しかしてなくて、他は意思決定なんかしていない起業したら嫌でもできる。部長であっても、結局役員や社長に仰ぎにいくのであり、所詮サラリーマンなのだ。たぶん、もっと重要でない意思決定のことを言うんだろうな。それだったら事業会社でできるかも。

 

結論

だから、いろんな業界を見たいんだ!という人に一番いいかな。

後、コンサルってよくわからないから人生で一回やってみたいって思ったら、やるしかないよね。何が得られるからというより、理屈抜きにやりたいんだもの。格好よさそうに見えるんだもの。そしたら一回やったらいいよ。やりがいや価値観はやってみたらわかるよ。くれぐれも他よりやりがいがあるというわけではない。どんな仕事を選んでも、みんな自分の選択が正しいと思うし、やりがいを感じるもんだと思う。

身もふたもなくてごめん。

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
■就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
■仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
■仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
■企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
■知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み

#7 コンサルの仕事

今回から仕事理解(コンサル)編。受けない人はごめん。

コンサルの仕事ってわかりにくいので、書いてみたいと思う。いや、いくら書いてもわからないと思うが、なるべくイメージしてもらえるように書いてみる。言い訳がましく最初に言うと、優秀なコンサルタントはもっとすごい仕事をしているんだろうが、俺は違ったから色んなサイトを見てみてね。わかりやすさを重視するよ。

 

新規事業プロジェクト

いろんな種類の仕事がある。でも実はそんなに対して変わらない

例えば、新規事業のプロジェクトについて考えてみる。A社が主要事業は伸びず、新たな分野に進出したいと言っている。

まずはA社のリソースを洗い出して、他の業種に使えないか考える。富士フィルムアスタリフトみたいに、写真フィルムのコラーゲン技術を美容に活かせるみたいな発見は技術者でも難しく、その道の専門家でもないコンサルタントが思いつくわけがない。ただ、一応リソースを洗い出すのだ。その道の専門家にヒアリングして、そんなネタでも出てこればいいけどね。

後は海外事例を探る。海外の同業他社で同じような展開をしていないか。ただ、こんなの調べたって、お客さんはすでに知っていてあれはこういう理由で、無理なんだよとなる。

じゃあってことで、社内の各事業部門に行って、そういう新規事業の芽がないかヒアリングする。出てきたりするが、すでに出したとか、小さい話すぎて採用しづらい。

仕方ないので、周辺事業の産業の市場規模などをリサーチして、一番伸びそうな分野のレポートを作る。社内のプリンシパルみたいな専門家がいるから、そこからヒントをもらう。

そんなネタ集めなどをして、全体像をパートナー、マネジャーなどがまとめて資料作成する。そして、こんな可能性がありますよねー的な分厚いその会社のためだけのレポートを作成する。レポートの厚みは自信のなさに比例する。このプロジェクトで必要なスキルは何か、リサーチ力、ヒアリング力、最後まとめる構造化力ぐらいか。くどいようだが、おいそんなことで誤魔化しているからだめなんだと言わればその通りである。

 

営業改革プロジェクト

営業改革のプロジェクトについて考えてみる。KPI設定をする。利益から分解して、売上×利益率でとかうんぬんかんぬん分解する。そしてそれぞれの指標について過去との比較だったり、競合との数値比較だったりして、悪いところを見つける

また、営業部長とかにヒアリングして、何を課題と思っているかをヒアリングする。すると、大体営業マンの損益管理ができていないとか、提案力がないだとか、若手のスキル不足とか、訪問回数が少ないとか洗い出される。

じゃあそれを改善するには、他社ではこんなことやってますよーとか、営業マンの評価体系が問題ですねーとか、研修でこんなことをやりましょうよとか、PDCAを回す仕組みを入れようよとかに落ちる。そもそもコンサルタントに営業力はないじゃあお前売ってみるよと現場は思っている。その道何十年とかいうおじいちゃんコンサルが来て、明日使える提案方法やツールを紹介して、そちらの方が有難がられる。このプロジェクトで必要なスキルは何か。分析力、リサーチ力、ヒアリング力

 

必要なスキルとは

私は新規事業立案と営業改革が一番嫌いなプロジェクトだ、バリューがでないと思っている。新規事業である程度、出る領域が決まっていて、そこのリサーチを簡単にやってよとかならいい。それがやりたい仕事でやるべき仕事か別にして。営業改革なんて、自分で売ってみろである。そして何が原因で売上が伸びたかわからないのに、うちのおかげでみたいな最終報告書を作る。

それはおいておいて、リサーチ、分析、ヒアリングがベースで、それをパワポに構造化して落とす。ほとんどはこれが仕事だ。実際は、最初にストーリーを書いておいて、その仮説をもとに検証するプロセスを取る。困ったときの他社事例・他社比較、専門家のご意見が伝家の宝刀である。

もちろんするどい仮説とするどい分析により方向が見えることもよくあるが、そこのすごさは最初は新人には到底無理なので、まずは分析、リサーチ、ヒアリング、そして紙をかけるようになるが身に着ける仕事なのだ。すると大体何のプロジェクトも同じになってくる。業界が変われど、テーマが変われど、手法は同じなのだ。

 

変化するコンサルの仕事

ただ、こんなことは最近誰でもできるようになった。少し前にnewspicksで特集していたが、投資ファンド化」「高級派遣業化」「クリエイティブ路線への進出」になってくる。

投資ファンド化はお前責任もとらねえくせに偉そうにいうなや、金出してリスクとれやである。

高級派遣は今になった話ではないが、自分でもできるんだけど、忙しいし時間がないしそういう人材社内で集めるにも人事的なことで面倒だし、代わりにがんばってよである。

クリエイティブ路線は、なんか付加価値ないよなあ。そうだ見た目かっこいい感じだったら価値ありげに見えるし、クライアントもモノに落ちているから納得感あるじゃんである。

でもあえて言おう。これの何が悪い。それでクライアントがお金をくれるならやったらいいじゃんである。そもそもコンサルが高尚だみたいな勘違いの方が違和感がある。じゃあコンサルって何の価値があるのよについて次回は書いてみたいと思う。

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
■就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
■仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
■仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
■企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
■知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み

#6 内定時にやるべきこと

コンサルに入社が決まってから、入社までにやるべきことはなにか。意見が分かれる。

 

内定時代は英語、海外旅行

まずは精一杯大学時代に遊んでおけというアドバイス。学生時代にちょこっとやったからといって、社会人レベルではないし、そんなことを考えるなという話し。確かにそうなのだが、何かやりたいから聞いているのであって、消化不良になる。

次に海外旅行にいけという話。ごもっともで、行った方がいい。会社に入ると難しい。たまに1年間世界一周する人がいるが、そうなるのだ。今しかいけない。

エクセルとかパワポとかをやりたいんですが、という人がいる。好きにすればいいじゃないか。まあ、エクセルの本をやるのがいいが、実務で覚えるのが一番なので、コンサル出身者の会社のインターンに行く。まあつまらないデータ入力をさせられるが、何かその内役に立つ仕事を振ってくれる。ちなみにその時やった仕事と同じレベルをコンサルに入ってもやらされるけど。

コンサル出身者のインターンはなぜ取るかというのはベンチャーで人を雇うお金がないから。ただで労働力を確保できるのはありがたいのだ。あとは何かすごいことを学べる雰囲気を出して、優秀な人材をこき使おうとしているので、遠慮なく学んでこればいい

それよりも、英語ができない人は何よりこれだ。出来ない人は社会人になっても出来ない。仕事になったらやるさとか、無理やり海外勤務になったらやるさとか思っているかもしれないが、英語が出来ない人にそんな仕事はこない。そしてコンプレックスだけが募る。所詮やってもネイティブレベルの同期には勝てないのだ。まあ、これに関してはいくらいっても無駄で、どうせやらないから書くこともやめよう。

 

入社後すぐに何を教えてくれるのか

晴れて入社したコンサルで最初は研修がある。普通のロジカルシンキングとか戦略論とかエクセル・パワポとかの研修があった。その当時は学生でもみんなあまり使ったことがないようだった。今だと全ての学生が出来るようになっているんだと思う。

そして、すぐにそれぞれプロジェクトに配属される。研修ではなくOJTという名の現場で学べだ。会社なので、学校じゃない。給料を払っているのだ。研修制度なんてないのだ。すぐに貢献しろということだ。

 

コンサルの配属

コンサルというのは実は派閥がある。よく日系の大企業の派閥みたいなのが取り上げられるが、それ以上に強いつながりがある。なぜか。コンサルの仕事を取ってくるのはパートナーといわれる、ボスだ。過去のつながりからとか、有名だから仕事が舞い込んだりする。そして、その仕事をありがたく、マネジャー以下がもらう。マネジャーがタスク化して、コンサルタントやアナリストに仕事を割り振る。予算によって、厚めの体制がひかれるときは、コンサルタントもアナリストもいるし、お金がない時は、コンサルタントだけの時もある。とにかく、上が仕事を取ってくる以上、言うことは絶対なのである。役に立たないと判断されるとプール(要は余り要員)に入れられ、次引き上げくれるパートナーを待つ。そして、パートナーがいいと思った人間は囲われ、評価会議においてもあいつはいいと推薦され、晴れてマネジャーになったりする。評価会議では、常に大きな仕事を取った人と、大事な仕事を取った人の争いになるが、最終的には金額が多いほうが勝ちやすい。ただ、ファームによって特性はあるようだ。とにかく、上に気に入られないと昇進もしづらい

 

プロジェクトの配属は人生を決めるか

一方で新卒が考える悩みがある。一つのプロジェクトに長くいると似たようなことが多く、色々経験したいと思って入ったコンサルで目的が達成されないという点だ。正直、くそくらえと思う。新卒で何もわかっていない人間にとって、どんなプロジェクトでも役に立つ。むしろ仕事を与えてもらってるだけでありがたく思え。その上教育までしてやってるんだぞ。だが、私はそれもどうかと実は思う。人生長い。最初のプロジェクトで自分に多少色がつく。偉くなってからいくらでも広げられるが、やや苦労する人がいる。

コンサルに一生残って、パートナーまで駆け上がるんだという人間には配属されるがママでいいのかもしれない。とにかく早くから認められ、マネジャーぐらいで今までやったことのないM&Aをやらされ、でもノウハウがないため、苦労する。それを乗り越えながら、パートナーになって3,000万円もらう。俯瞰してみると、なんとすばらしい経歴ということになる。新卒1年目のプロジェクトが何であろうとそんなのは誤差の範囲で、何でもやってとりあえず最低限のスキルを身につけろというのもごもっともなご意見である。

一方で、コンサルを3年でやめてやろうという人間は色んな経験をしておきたい。マーケも中長期経営計画もM&A色んなプロジェクトをやりたいという思いもある。3ヶ月ぐらいでぐるぐる回して新しいことをしたいという気持ちも分かる。私は後者だった。どっちがいいかというのはその最中には分からず、今でもわからないし、永遠に分からないかもしれない。どんなプロジェクトにアサインされようと俺は結果を残すぜという人には関係ないが、凡人にはやりたいことをやっておかないといつ出来るかもわからない。よく、長期プロジェクトであってもその中でやることは変わり、色々経験できているんだという話。確かに色々経験できるが、本人が満足感を得られていない以上意味がないのだとも思う。

要は好きにしてくださいという話なのだが、あまり目先の数ヶ月のことに惑わされても意味ないよとも思いながら、当時の思いを振り返ると、まあ色々やりたいから仕方ないよねという感情である。

またもや内定時に関係なかった。ごめん

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
■就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
■仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
■仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
■企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
■知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み

#5 採用選考としてのインターン

今回はインターンについて書いてみたいと思う。

インターンという効率性

コンサルはインターンに参加しておいた方がいい。それが採用直結なのだ。もっというとコンサル志望でなくてもコンサルのインターンに行った方がいい。商社をはじめとする事業会社でも、外資コンサルや外資メーカーのインターン参加者がほしい。優秀だからというのもあるが、どちらかというと効率的だからなのだ。それだけ先に積極的に動き、しかも一定のレベルの会社が選考をしてOKと言っているのである。安心感がある。

ちなみに裏ではインターン参加者には値段がついている。1人1万円である。そうでない人はまちまちだが、早慶以上の人はまあ1000円程度参加したかどうかで10倍の差がつく。裏ではこんな取引をしているのだ。実際その人たちが優秀かというと全員がそうではない。が、確率で言うと、圧倒的に高確率でいい人に会える

新卒でよく、もっと1人1人を見てほしいとか、もっと優秀な人が大学に関係なくいるから、学歴フィルターはだめだとかいう。学生時代はそう思っていた。自分は優秀でほらほしいでしょと。しかし人に雇ってもらう分際で、一人で起業もする能力もない人間なんて、優秀なわけがない。もっと優秀なやつは一人で稼ぐ。その能力もないんだから、おとなしくレールに乗って、選考を受けろという話である。

考えてみてほしい。あなたが、経営者で優秀な高校生を200人取りたい。期間は1か月。何もネットワークはない。さあどうするか。優秀の定義から考える。何の経営をするか、学習塾をやるか、引っ越しやをするかでも変わってくる。例えば学習塾なら、賢い人がいる。優秀な高校生を集めるには、進学校の校門でひたすら勧誘するか。進学校の校長を口説いて、彼らを集めてもらうか。引っ越しやをするなら、力がある人がいる。体育会系の野球部とかラクビー部とかにコンタクトする。どうしても何かしらの集団で囲って、そこにターゲットを絞るのだ。擬似的なマーケティング活動と同じである。短い期間で大勢の人を集めるには、限られたリソースの中だと効率性をとるのだ。帰宅部なんだけど、実は家で筋トレをやっていてすごい力持ちがいるんだといわれても、そいつも見つけるのは不可能なのだ。何かしらのフィルタリングをして、絞った方が効率的なのだ。

 

学生に能力差はあるか

これもよく言われるが、学生時代の能力なんて社会人からすると大差ない。それでも違いはあるでしょと言われると、上から0.1%、1%、20%、50%、80%、それ以下で違う。

上位0.1%は違う。すでに起業していて、数億円稼いでいる。別に会社に入らなくていいという人は別格だ。大企業に入って、箔をつけるとか学ぶこともあるかもしれないが、大したことはないとすぐに気付く。そうなると、面接をしている雇われサラリーマンよりはるかに価値があるのだ。自分で経営もせず、誰かに雇われないと生きていけないサラリーマンなど、起業して自分で生きている人間と比べると価値は下である。もちろんサラリーマンにはとても優秀な人はいるが、新卒時のポテンシャルを比べると、学生時代に起業した人間の方が価値があるはずだ。そんな上から0.1%は別格なのだ。これらはまあ人事は会えない。1学年45万人として450人ぐらいなので、会社には関係のない層である。

続いて上から1%。これらはいわゆる意識高い系でほんとに実績がある人間。慶応で、フリーペーパーを作り、テニスサークルに所属し、帰国子女で、英語はネイティブでみたいなタイプで、自分で起業はしていないがそれなりに優秀な層。商社、外コン、外銀、外メーカー、ベンチャー、出版社、広告代理店、マスコミなどにいく。

続いて、20%体育会系で実績あり、サークルで実績あり、コミニュケーションがうまいタイプだ。大手メーカー、インフラなどに通っていく。ここまでが放っておいてもどっか通ってくるタイプだ。もちろん大学によって通る先は変わるのだが。

次に5割。何の特徴もないが、初々しいねーと思われる大学生だ。上の層は冠企業といわれる大手の子会社系や上場企業、有力な非上場に就職する。

そして、次の80%までは、なんかおどおどしていてコミニュケーションが取れない。成績もそれほどよくない。ただ、中小からすると高卒よりはいい感じがするので採用する。

そして残りは本当に自信をなくして就活をあきらめるか、非正規になるかである。

 

能力に差があってもアピールしなければタダの人

こう細かくみると決して差がないわけではない。ただ、個別に受けに来る企業からすると、一定の密集した層が来ているので、差なんてないと思うわけである。上位0.1%の学生がほしいと思い、実際は上位1%を取れたら万々歳、20%がきたら例年通りで、5割が来たら失敗と思う上位企業なのである。

新卒一括主義がくそだとかよく言われる。確かにそうなのだと思うが、上位層と上位企業にとってはくそなのだ。企業はいつだって優秀なやつを囲い込みたいし、自由な活動をやって、好きな時に就職いたい学生なのだ。

ただ、20%層以下はそうでないと思う。スケジュールを決めて、はい就活ですよーといわないと動かない。これらにはおしりたたきが大事なのだ。まああくまで下位層の話なので、興味ないという人が多いと思うが。

とにかくインターンは企業に目をつけてもらうきっかけ。必ずしも目をつけてくれるわけではないが、多くチャレンジした方がいい。あんな必死にいってダサいと思うのもわかる。ただ、能力ない人もやる気を出してコンタクトし続ければ勘違いして企業はとってくれたりするのだ。なぜなら企業も見る目なんてないから、そして大差ないと思っているからインターンはそんなアピールする機会なんだから、行ったほうがいい。その時の友達がずっと関係続いたりするからね。

あまりインターン関係なかったなあ。

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
■就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
■仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
■仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
■企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
■知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み

#4 企業分析の仕方

今回は企業分析の仕方を書いてみようと思う。

何もすげー詳しくやる必要もなくて、大体こういう業界にいて、こういう環境で、これぐらいの位置づけで、今後こういうことが課題で、こういう人材を求めてるんだなぐらいが分かればいいと思う。会社に入るとbloombergやspeedaやQuick、日経テレコンやら有料のデータベースを使えるが、学生の時は無料で探す必要がある。ご存知のものも多々あると思うが、知らない人向けに書く。後、おじさんだから最近のいいサイトがあれば教えて。

 

業界研究

まずは業界。とにもかくにも業界地図だ。あんなによくまとまっている本はないと思う。社会人になってもこっそり最初にあれを読んだりする。(最近はSpeedaの業界まとめを見るかな)日経だろうが、東洋経済やらあるが、好みでいいと思う。少し業界が絞れているなら巻頭特集で知りたい領域があるものを選ぶといい。

後は就活サイトの業界特集がある。job.career-tasuとかasahi.gakujoとかが見やすい。リクナビマイナビにもある。ただ、古いバージョンを載せていることがあるので、要注意。

また、とてもいいのが業界サーチというサイト。シェアや売上ランキングまで載っているので、これをざっと見るといい。

次にお勧めなのは、経済雑誌の業界特集。「東洋経済 ××業界」「日経ビジネス ××業界」と検索し、いつ発売の雑誌か調べ、図書館にいきバックナンバーを探す。とてもコンパクトにまとまっている。

すごいふざけているようで的を得ているのが業界図鑑。立ち読みで読んでみて。

他はみずほ産業レポート

また普通にgoogle「××業界 調査」「××業界 レポート」と入れると色々出てくる。他にも「××業界 動向」「××業界 経済産業省」なども入れてみてほしい。普通に検索すると官公庁系のレポートが上位に上がらないので省庁名とセットで入れると、ありがたくまとめたレポートが出てきたりする。最近は外部業者のレポートも出ているので、見てほしい。しかし、カーニーが作ったクールジャパン関連のレポートは涙ぐましい。遅くまで頑張ったんだろうな。梅澤さん配下だったんだろうな。しかも彼女がいるんだもん、がんばっちゃうよな。そんなことはさておき、業界。

もっとやりたいという人はJETROの図書ライブラリーに行って、業界レポートを読む。マニアックなレポートまであって無料で入れるので一度行ってみるといい。蔵書検索もできる。

そして最後にグーグルアラートで興味のある業界を入れて、毎日ニュースを読む。過去のニュースを検索したい場合は、国立国会図書館の無料記事検索サービスというまとめに載っている。

ここまでやれば業界研究は終わっていいと言い切れるかな。

 

企業研究

次に、各企業についての調べ方。業界の中で興味が出たら、個別企業について調べる。リクナビマイナビの企業情報は見ておけばいいが、不十分である。

個別企業のHPに行く。まずは採用情報のページをすべて読む。先輩の話やらも読む。脚色されてキラキラしているが、まあ読む。

この段階で面倒くさいから終わりそうだが、次に読んでほしいのが、投資家情報とかIR情報と書いてあるタブのところだ。個人に物を売っている企業のHPはわかりづらいところにあるので、一番上か一番下に企業情報と一緒にないか探してほしい。

まずは直近の決算説明会資料を見る。パワーポイントで書いてあるので見やすい。そして、中期経営計画を探す。長期的にこういうのを目指しますよというのが書いているので、課題が隠れている。また、アニュアルレポート(英語しかない場合が多い)や会社紹介パンフレットもあったりするので、読む。どうだすごいだろみたいな話を投資家や取引先向けに書かれたものなので、強みが分かりやすい。後は財務データ集みたいなのがあるので、それも読む。ここまででいいのだが、よくわからないだろうが、有価証券報告書も読むといい。まあでもよくわからなかったら別にいいかも。

読みました。理解したか?はい。じゃあこの会社について口頭で説明してみて。・・・?みたいになるだろう。ただやみくもに読むと、結局何も残っていなかったりする。仕事でもそうだが、アウトプットイメージがないと残らないのだ。企業研究シートみたいのないかなと検索してみたけどなんか萎えるね。調べたい項目をまとめておいて、各社埋めていってみてほしい。

例えばこんな項目

  1. 所属する業界
  2. 業界の将来性
  3. 業界が抱える課題
  4. 企業の業界内売上順位
  5. 他社との比べた時の強み・弱み
  6. 長期で目指す姿
  7. 中期で目指す計画(定量。定性)
  8. 直近取り組む課題、施策
  9. 今いる人材の特徴。会社の社風・文化
  10. ほしい人物像・人材要件

まずはこの10個にするか。多いな。でもまあ軽くでいいから10個考えてみて。

 

 

ネットだけじゃなく、生の情報も取りに行く

難しいのは強み弱み。会社の人も良くわかっていないし、業界3位ぐらいから強みがなかったりする。それも大事な情報。実は他と一緒で・・・みたいな本音を知りたい

そして、HPや本だけでわからないのが、会社の社風、文化、人材要件。これは就職サイトや採用HPに書いていたりするがよくわからないし、脚色されている。で、どうするか。

一番わかるのはOB訪問である。1人や2人にあったところでわからんだろうというのもあるのだが、絶対その人たちにある雰囲気がある。まじめだなーとかちゃらいなーとか理屈っぽいなあとか適当だろとか。ぶっちゃけ血液型で分けてもいいし、動物占いでわけてもいいし。合う合わないがあるわけよ。業界ごとに分けられるし、その中の会社ごとにも違う。最後は入ってみないとわからんのだが、でも一度つかんでみて。

ほしい人物像は人事とかに聞いてみて、現場に聞いてみて、役員に聞いてみるとそれぞれ違うことをいうかもしれない。見えている世界が違うからね。本当は統一されているはずだが、そんなわけないから。例えば、「今いる人がまじめだから、そうじゃないチャレンジする人がほしいんだ」と言いながら、結局とっているのはおとなしい人だったりする。そんなに文化はすぐに変わらないし、採用している人間がそうなんだもん。自分がいいと思っているから似たようなのを採るわね。ちなみにOB訪問は人事に報告される場合がある。商社はそれをやっていないと落とされるところある。銀行はリクルーターがついて、来そうなやつは優先的にフォローするから。

まあそんなのもあるが、気軽に聞くといい。本当は知り合い伝いで紹介してもらうのがいいよ。サークルとか。いないという人は限定的な友達としかあってこなかったツケだからあきらめて。それでもという人はfacebookでコンタクトしてみたらいい。よく会社前で声かけるというけど、やってもいいし、そこまで恥ずかしいことやらなくてもいい。自分が出来る範囲でやってみて。

どうしても人に会いたくない人は転職者向けの口コミサイトを見ると言い。転職会議とかvorkersだったり。本当にあっていることが多い。

そして、そこから志望動機を書く、自己PRを書く。志望動機が書けないのはその会社についての情報が少ないからか本当に行きたくないから。自己PRはさらに自分のことがよくわからないパターンが多い。自分と企業を照らし合わせて、俺とってよという作文だから。自己PRについてはそのうち書く。

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
■就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
■仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
■仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
■企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
■知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み

#3 意識高い系に勝つ方法

今回は、面接やエントリーシートで意識高い系のすごいエピソードに勝つ方法ついて書いてみたいと思う。

 

既に土台が違う

エントリーシートや面接でも聞かれるのが、エピソード。サークルのリーダーしてましたとかを言うのはやや否定される傾向にあるが、正直そのエピソードが余りにも多すぎるからなのであって、その話し方や考え方によって、変わると思う。

どういう課題に対して、どう向き合い、乗り越えたか。まあこんなの大したことは出ないのだが、頑張るしかない。ただ、ここまで言っておいてなんだが、正直、意識高い系のすごいエピソードをもっているやつには勝てない。そりゃあ言い方や思考でできるかもしれないが、起業して何十億円を売り上げていたとか、海外で地雷撤去していたとか結果出てるんだから、それには負ける気がする。中身が大事というが、そんなエピソードは中身もそれなりにあるし、あるように話せる能力がある。そいつらと戦っても勝てない。

しかし、当落ぎりぎりのやつまでそんなやつばっかりではないから(マッキンゼーは知らないが、GSはそうでなかった)ありったけのもので頑張るしかない。大学入った時から、いや生まれた時から人生はある程度ハンデがあるのだ。

後、。これは変わらない。顔採用があるのかなんてくだらないアンケートを取っても仕方ない。美人は有利なんて、聞かなくてもわかるのだ。それだけじゃない、顔もきれいで、頭もよくて、はきはき話せてという女はいる。GSの採用HPを見てみなよ。美人だから。まあ好みだけど、気の強そうな女で美人だ。男も美男子でなくても清潔な青年というのはいくらでもいる。ただ女子に比べると不細工でも採用されるので、やや緩和されているのだろう。とにかく、それも変えようがないのだ。

 

今から変えられる能力

では、エピソードが無理で顔が無理で、変えれるのは何か。話し方、いわゆるコミニュケーション能力というやつである。いや、もちろんコミュ障は無理なのだが、訓練で変えることができる。面接をやっていて、なぜそんなおどおどするのか、緊張しすぎだろみたいな人。これは、社会人と話した経験がなさすぎるのだ。社会人とたくさんしゃべることで変えられる。10人とかじゃないよ。大学時代に100人以上の知らない社会人と話したことがあるか。ほとんどの人はないのだ。とにかく話してみればいい。そしてけちょんけちょんに言われればいい。改善する。

もっといいのは、自分で話しているのをiphoneで動画を取る。そして見る。また、話がうまい人の動画を見る。TEDなんてみても仕方ない。プレゼンではなく、普通のだ。例えば朝生。うまい人と下手なひとは歴然である。そこまで言って委員会。すべらない話。話し方をたくさん見る。そして、その中で真似できそうなものだけ取り入れてみる。意外にそうやると中身はなくてもすごそうに話をしている人がいるものなのだ。ショーンKぐらい顔がよくて、いい声だったら、より騙される。

 

完全な余談だが、紳介は同じ話を3回別の人にするとうまくなるという。松本は絶妙なたとえを思いつく。さんまは言葉遊びをする。こんなことができる天才は別にして、普通の人間は紳介のやり方が一番いい。自己PR、学生時代に頑張ったことを必ず、3回はいろんな人に聞いてもらう。恥ずかしいが、社会人や親に聞いてもらう。するとだめだしされるから、それを改善する。必ずうまくなる。うまくなる幅は個人差あるが、どんな人でも改善されるものだ。ぜひやってほしい。

それでも無理な場合はどうするか。これは会社のレベルを下げるしかない。結構どこもみんな受けるので、コンサルとかだとレベルが余り変わらなかったりするが、本当に優秀な人はTOP2しか受けないので、下になると勝てるようになる。そこまでその業界にこだわりたいかは別ね。

 

どこまでレベルを下げるか

そもそもコンサル会社の選び方がいるのか。いらない。上から受けた方がいいマッキンゼー、BCG、ベイン、あとはATカーニー、デロイト、野村総研、ベルガー、PWC、ADL、AC。後はどうしても行きたいならコンサルに行けばいいが、あまりお勧めしない。コンサルから事業会社に行くとき、あまり価値がなくなる。コンサルプレミアムというのがある。転職する時にコンサルだから少し有利なのである。事業会社に行く場合、定量的な分析ができて、資料をわかりやすく作ってくれる若手は便利である。事業会社の若手に比べると、誰をとってもそれなりの水準の人材がそろっているのである。ただ、上記に挙げたコンサル以外だとどこそれ?ということになる。聞いたことないコンサルの若手ってちゃんと教育されているの?となる。コンサルなんて名乗ればいつでもなれるので怪しさが増す。採用する側が行ってみたいなと思うコンサルでないと取りづらいのである。

そんなわけで、無い袖は振れず、自分の身の丈にあった会社にいくしかない。大学受験の時は偏差値があったからわざわざ無理そうな大学受けないでしょ。就活も見えてないだけで、それぞれ人に能力の偏差値はあるのよ。顔も、親の資金力・コネも、それまでにやってきたことで差がついているのよ。就職浪人1年でそんなに能力があがるわけでもないしね。とにかく100人の社会人とあって、話し方を鍛えて、自分が自信をもって話せるネタを整えてほしい。

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
■就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
■仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
■仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
■企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
■知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み

#2 コンサル内定法

今回はコンサルの就職活動について書いてみたい。あくまで当時の私のやり方であり、これがいいとも思わないから、参考程度に聞いてほしい。まずはさらっと全体を書いてみる。

 

SPI試験

筆記試験はまあどこもそれなりの点を取っていればよい。ここでいう筆記試験とは、SPI系と独自のケース問題に分かれる

まずはSPIについて。ここは対策したところでもうどうしようもないのではないかと思う。地頭が大事といわれるが、私はこれは受験勉強しているか(特に中学受験)どうかなんだと勝手に思っている。

例えば、コンサルで言うと、全く知らない業界について、資料やレポートを読み込んで把握する能力が求められる。国語の読解力に近いと思う。投資銀行も難しい法規制や会計基準などを理解できるか、読解力に近いのではないかと思う。

コンサルでは、ストーリーを大事にする。最終報告書として、まとめあげるのだが、その時、頭から最後まで、背景が何で、今課題が何で、その根拠はこれで、対応策はこれらが考えられるが、検証するとこれが一番だと考えられるみたいな、いわゆるロジカルシンキングというものだ。論理的思考力と訳すが、いまいちよくわからない。

要は人間が聞いていて、そうだねそうだねとすっと入ってくるか、途中でえっ違うくない?なんで?とならないかということだと思う。これは文章構成に似ているのだと思う。

また、スライド1枚にメインメッセージというのを書く。データがあって、要はこうですよねという要約である。この表現力にとても悩まされる。私が元々国語が出来ず、表現力に乏しいからそうだったのだが、これも国語の要約力である。小さいころに天声人語をまとめるみたいなすごく嫌いな課題が塾であったが、まさにあれである。

こういう把握力や論理的思考力や要約力があるかどうか国語の能力を試すために筆記試験があるのだと思う。ただ、優秀な人間はこんなところで差はつかないので、あくまでフィルタリング機能である。

 

一方、算数的要素も必要となる。一番はエクセルを使ったデータ集計である。平均から始まり統計だったり、出てきたデータの読み取り方もある。他社と比較する場合、平均がよいのか、中央値がよいのか、まあそんなのは業務で感覚をつけていけばよいのだが、数字に親和性があるかどうかは差が出ると思う。そのアレルギー耐性を見る程度である。優秀な方にはわからないが、慶応でも加減乗除が苦手という人はいるものだ。SPIの算数範囲で、対策をする必要がある人もそうである。

投資銀行財務シミュレーションをする。何年後に売上がどうなるから、利益がどうなって、資産がどう増えて、負債がどうなって、キャッシュフローでみるという感じである。数字が嫌いであれば毎日苦痛で仕方ない。

ただ、ここまで言った国語も算数も大学からどうこう出来るものではないと正直思う。

どうしても受かりたいのであれば、SPI対策をして、内定時代にいくつかエクセルでモデルでも作ってみることだ。そのうち、なれるはずだ。

 

ケース問題

また、ケース問題がある。会社によって、違いがあるが、他のサイトでは2つに分けている。フェルミ系ケースと戦略系ケースだ。

フェルミ系ケースは慣れである。本もあるし、わざわざ本を買わなくても、サイトでいくらでもある。フェルミ系ケースは、プロジェクトで、この市場規模ってどれぐらいあるんだっけ?とか、将来、需要はどのぐらいになるんだっけとか問われることがある。矢野経済とかのレポートから拾って、何千億ですといったらコンサルとして、価値がないので、無理やり構造化して、推定する。それと同じ構造をフェルミ推計でやる。この構造化をする時に思いもつかない要素があれば、面接官はおおっと思うが、ほとんど無理なので、無難な構造化をし、少しだけ独自性を入れる。そしてそこについて議論を広げる。どうせ答えがないので、面接官と議論を楽しめればOKなのである。戦略系はより具体的な問題である。基本的にはA社(業界)が儲かるには?というテーマである。

大事なのは、どうせ相手もそんなに分かっていないという点である。儲かっていったら、コンサルなんてすぐに辞めて、起業しているんじゃないかと思う。これも論理的思考力を問うているだけである。業界のビジネスモデルはこうで、KFSはこれで、利益はこう分解されて、これを伸ばすには、課題はこれで解決策はこれらがあって、こういう軸からこれに絞られ、みたいな話をすればよい。

私は4Pさえも知らなかった。面接で、ケースがあって、どういう観点がある?と聞かれ、いくらか、どういうものか、どこに立地しているか、どういう宣伝をするか、どういうブランディングかみたいなのを言うと、それを4Pと言うんだ、といわれ、へーそうなんですかと驚いた。ただ、ブランディングはいらなくないかみたいなことを言われ、いや絶対いるみたいな主張をした覚えがある。それでも受かったので、どちらかというと会話を楽しむというかディスカッションすることが大事なんだと思う。

 

面接・グループディスカッション

面接でも似たようなことが聞かれる。フェルミ推計だったり、戦略ケースだったり。基本的に戦略ケースが出来れば、大丈夫。コンサルの仕事そのものなのだから。

あとは間にグループディスカッションがある。これは意見をまとめるやつ、ホワイトボードにまとめるやつ、とがった意見をいうやつ。これぐらいのポジションを取ればいい。とがった意見に構えていたが、外銀ではしくった。まず5分という短い中でまとめろといわれると、まとめるやつが大体よく見える。

最後とがった意見を短い時間で言うには難しすぎた。しかもみんな優秀だったから、そんな違う意見も言えない。なぜか通過したが、あまりお勧めしない。時間によっては、ポジションを変えた方がいい。パートナー面接ぐらいまで来ると、もはや決まっているかその人との相性で決まる気がする。少し小賢しいのだが、それまでの面接でその会社が気に入ることが何かを見極めておく。逆に面接官の意見を聞いて、レベル感や価値観を見極めるといい。

そんなことやらなくても・・・という人はそのとおり。こんな就活テクニックはいらないのだろう。あくまで1.5流の人間が受かるのであればという話だ。

 

さて、これだけじゃ、コンサル受かんないよというと思うので、もう少し基礎の部分についても、書いていきたい。

次回は意識高い系のすごいエピソードに勝つ方法について書いてみたいと思う。

 

Season1 目次
#1 自己紹介と目次
就活ノウハウ
#2 コンサル内定法
#3 意識高い系に勝つ方法
#4 企業分析の仕方
#5 採用選考としてのインターン
#6 内定時にやるべきこと
仕事理解(コンサル)
#7 コンサルの仕事
#8 コンサルのやりがい
#9 コンサルを辞めた後の転職先
仕事理解(投資銀行
#10 投資銀行の仕事
#11 外資系と日系の投資銀行の違い
#12 投資銀行のやりがい
#13 投資銀行を辞めた後の転職先
企業・業界選択
#14 新卒でどこに入るのがいいのか①
#15 新卒でどこに入るのがいいのか②
#16 新卒でどこに入るのがいいのか③
#17 結局どこの会社がいいのか
知っておいた方がいいこと
#18 学歴フィルター
#19 大学でやるべきこと
#20 最も怖い配属リスク
#21 転職の波の読み方
#22 1.5流の悩み